街に開かれた個人住宅
この建物は一戸建ての専用住宅である。建物のオーナーは車いすを利用してここで生活している。
敷地面積は23坪、建物の床面積は16坪の平屋の狭小住宅である。ただでさえ狭い16坪のうち、半分以上の約9坪を「地域の交流の場」として解放している。
「地域の交流の場」といっても、ただ場所を解放しているだけではない。高齢者・障害者向けのパソコン教室。外国人向けの日本語教室。外国人との交流を目的とした料理教室。書道教室。教えることのできる誰かが先生となり、学びたいと思う誰かが生徒になる。コンパクトな空間が逆に親密性を増し、初対面でも仲良くなりやすいとのこと。
オーナー自身が車いす利用者ということもあり、結果としてどんな世代でも使いやすい仕様となっている。プライベート空間も車いす利用ということをメリットと捉え、シャワールームの天井高さを1.4mとし開いた上部を収納スペースにしたり、車いすなら何の苦労もない高さの低い潜り戸を設けたりしている。