地下鉄の駅から歩いて5分くらいの古い喫茶店を、主に車いす利用者が働く自立生活センターに改修した。用途としては事務所であるが採光も十分に取れており、そのまま福祉施設に転用も可能である。

喫茶店といってもランチを主体とした定食屋のような形態で、室内に入ったとたん油の匂いがするような状態であった。床も不陸があり精度の良い状態とはとても言えなかった。現況の厨房がホールの床より約30cm低かったこともあり、厨房があったところに水廻り(キッチン、車いすトイレ、一般トイレ)を配置し、排水管を床下で取り回せるようにすることで、すべての部屋がフラットになっている。

外部ポーチは緩やかなスロープを新設し、入口の開きドアは自動ドアに変更した。内部の建具は吊り戸とし、レールのない仕様とした(建具を吊ることで床の不陸に対応)。事務室の照明器具は配線ダクトとし、コンセントが足りない場合は天井の配線ダクトからコンセントを取ることで、車いすの移動に邪魔にならないように考慮した。

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