子どもの頃は歌謡曲、中学時代に洋楽に出会ってからはもっぱら洋楽を聞いてきた自分が40歳を過ぎた頃からクラシックに目覚めました。きっかけはカミさんが当時ハマっていた「のだめカンタービレ」を一緒に見たこと。クラシック=【学校で習う音楽】と苦手意識があったものを「のだめ」が払拭してくれました。中学の音楽のテストでモルダウで有名な「スメタナ」がどうしても覚えられず、「スタミナ→スタメナ→スメタナ」と連想で覚え、テストの解答欄に「スタメナ」と書きバツをもらい、先生に「何が間違っているのか」と質問しに行く、という痛い思い出があった自分にとってはなおさらでした。

「のだめ」のハマり方はなかなかなもので、パリに旅行に行ったとき、普通の観光客では絶対訪れないロケ地を巡るほど。ただ「のだめ」はストーリーが完結していてそれ以上の広がりはありませんでした。

そんな頃、仕事をしながらのBGMにクラシックが聞きたいなと思い、インターネットラジオでクラシック専門チャンネルがないか調べたところ、日本にもクラシック専門のインターネットラジオがあることがわかりました。

その名は「OTTAVA」。“オッターヴァ”と読みます。当時はTBSラジオのインターネットラジオ試験放送として運営されていました。そこでプレゼンター(いわゆるDJ)である“斎藤茂”という方の番組が平日にあり、その番組にハマってしまったのでした。何にハマったかというとその斉藤茂さんの「のんびりした」語り口にやられました。元々斎藤さんはJ-WAVEでディレクターをやっていたのですが、開局時にプレゼンターをやる人がいないということで急遽プレゼンターとしてデビュー。しゃべりが本職ではないので聞いているこっちがドキドキするんですが、でも天性の優しい声を活かし、聞いてるとだんだんと癖になってくるという依存性のある番組でした。

それからというものの、毎日斎藤さんの番組“OTTAVA con brio”を聞いていました。それはそれは幸せな日々でした。流れるクラシックも有名どころからあまり知られていないものまで、時代も古いものから新しいものまで、様々な曲が掛かるので聞いたことのある曲だけはとても増えていきました。

そんな幸せな日々がいつまでも続くと思っていたある日、OTTAVA休止のお知らせが!元々の成り立ちが試験放送なんてことはすっかり忘れていました。TBSがインターネットラジオ放送に見切りを付けたことでOTTAVAが休止となることが発表されました。僕と同じようにOTTAVAが生活の一部になっているリスナーからたくさんの悲鳴が。なんとか存続する道はないのか、リスナーはメールを送ったりツイッターで訴えました。

しかし!まさかの展開が起こります。音源を提供していたレコード会社の「ナクソス」が“クラシックラジオの火を消してはならない”とOTTAVAの運営を引き継ぎ、存続されることが発表されました。リスナーは“歓喜の歌”状態!TBS時代から考えると規模は縮小しましたが、それでもあることがうれしい。それだけで救われる。そんな思いでした。

その後も紆余曲折があり、現在は斉藤茂さんが代表取締役となり株式会社OTTAVAを設立し運営されています。「市民ラジオ」を標榜し、リスナーからの支援でなんとか回ってる状態のようです。クラシックを聞く人が少なくなった現在、クラシック専門ラジオの未来は前途多難です。ひとりでも多くの人がOTTAVAを知り、聞き、好きになることで二度とOTTAVAが、日本で唯一のクラシックラジオが無くならないように願っています。

OTTAVA公式サイト

ゆったりとしたラジオをお探しの方におすすめです。もしよかったら一度聞いてみてください。平日の9:00~12:00と、14:00~18:00はプレゼンターが生放送を行っています。ちなみに斎藤茂さんは金曜日の午後担当(タイムテーブル)。そして気に入ったらぜひ有料会員(月額990円)になってください。